スーモに物件を掲載しているのに問い合わせが来ない。掲載して数週間が経つのに反響数がゼロに近い——そういった状況に直面している不動産担当者は少なくありません。
原因の多くは「入稿の品質」にあります。物件情報を登録しただけでは、競合物件に埋もれて問い合わせにつながりにくいのが現実です。SUUMOは物件掲載情報の充実度を独自の採点システムで評価しており、その結果が検索順位と「優良物件マーク(黄色枠)」の表示に直結します。
写真の枚数・カテゴリ・1枚目の選び方、コメント欄の記載内容、設備情報の完全性——これらすべてが採点に影響します。逆に言えば、これらを正しく最適化すれば、同じ物件・同じ家賃でも問い合わせ数を改善できます。
この記事では、SUUMO管理画面の基本操作から、写真戦略、コメント欄の書き方、採点と黄色枠の取得条件、アクセス情報の設定、掲載後のPDCAまでを体系的に解説します。
バーチャルステージング画像やCG加工画像を掲載する際の注記・規約対応は、不動産ポータルのCG加工・バーチャルステージング掲載規約ガイドで詳しく確認できます。
掲載改善だけでなく、フリーレントや賃料調整など空室対策全体の費用対効果も比較したい場合は、賃貸の空室対策を費用・効果・難易度で比較したガイドもあわせて確認してください。
なぜSUUMO入稿の品質が反響数を決めるのか
SUUMO上での物件の問い合わせ数は、大きく3つの段階で決まります。
第1段階:検索に表示されるか(露出量)
SUUMO内部の採点スコアと更新頻度が、検索結果での表示順位を左右します。スコアが高い物件は上位に表示され、「優良物件マーク(黄色枠)」が付与されます。同じ条件で検索したときに黄色枠の物件と黄色枠のない物件が並んだ場合、ユーザーは黄色枠の物件を優先して見ます。
第2段階:クリックされるか(クリック率)
検索結果に表示されても、サムネイルとして見えている1枚目の写真の印象が悪ければクリックされません。物件の家賃・間取りが同じ競合物件と並んだとき、写真の明るさ・生活感の有無が選択を分けます。
第3段階:問い合わせにつながるか(転換率)
物件ページを開いたユーザーが「内見したい」「詳しく聞きたい」と感じるかどうかは、写真の枚数・コメント欄の情報量・条件の明確さで変わります。
この3段階すべてに、入稿の品質が関わっています。以下では段階ごとに具体的な改善策を解説します。
写真登録の戦略:枚数・カテゴリ・順番
写真はSUUMO入稿の中で最もインパクトの大きい要素です。ユーザーが物件一覧から物件を選ぶ際の最初の判断材料は写真です。どれほど条件が良くても、写真が暗い・枚数が少ない・生活感がないと、次を見てもらえません。
推奨枚数:最低10枚、目標は15〜20枚
SUUMOへの写真登録に明確な最低枚数の規定はありませんが、競合物件の水準と採点への影響を考えると、最低10枚の登録を目標にしてください。10枚未満の物件は採点上のハンデを抱えます。競合物件が15〜20枚登録している中で5枚しかない物件は、それだけで信頼感で負けます。
ユーザーは物件を検討する際、できる限り多くの写真で部屋の雰囲気を確認したいと思っています。「写真が多い物件 = 情報を隠していない物件」という印象を与えることが、問い合わせへの信頼感につながります。
カテゴリ別の登録:すべてのカテゴリを網羅する
枚数と同じくらい重要なのが「カテゴリの網羅性」です。以下のカテゴリをすべてカバーすることを目標にしてください。
カテゴリ | 目安枚数 | 撮影のポイント |
|---|---|---|
外観 | 1〜2枚 | 建物正面とエントランスの両方を撮影。日中の自然光が入る時間帯に撮ると明るく見える |
共用部・廊下 | 1〜2枚 | 清潔感が伝わる角度で。エレベーターや郵便ポストも含めると印象が良い |
玄関 | 1枚 | 靴箱の大きさが分かる構図で |
LDK・リビング | 2〜3枚 | 広角で広さを伝える。窓からの自然光が入るシーンを1枚目候補に |
洋室・和室 | 各1〜2枚 | クローゼット・押し入れの内部も1枚あると差別化できる |
キッチン | 1〜2枚 | コンロ数・収納が分かる構図。IHか都市ガスかが一目で分かると良い |
浴室 | 1枚 | 追い焚き・浴室乾燥機の有無が分かる構図 |
トイレ | 1枚 | ウォシュレットの有無が分かる構図 |
洗面台・脱衣所 | 1枚 | 洗面台下収納が見えると収納量が伝わる |
その他設備 | 1〜2枚 | 宅配ボックス・駐輪場・バルコニー・床暖房パネルなど特徴設備を撮影 |
周辺環境 | 1〜2枚 | 最寄り駅・スーパーなど徒歩圏のランドマーク。徒歩分数を写真キャプションに入れると有効 |
カテゴリに漏れがあると採点スコアが下がります。撮影前にこのリストを確認して、撮り忘れを防いでください。管理している物件数が多い場合は、撮影チェックシートを社内で共有することを推奨します。
1枚目の写真の選び方がクリック率を決める
検索結果に表示されるサムネイルは「1枚目に登録した写真」です。ここを間違えると、どれほど情報を充実させても見てもらえません。
1枚目に適した写真の条件は3つです。
明るい:暗い室内写真は「狭い・古い」という印象を与えます。窓からの自然光が入る時間帯に撮影した写真を使います。照明だけで撮影した写真は黄みが強くなりやすく、昼間に撮影したものと比べて見劣りします
広く見える:LDKや広めの洋室を広角気味に撮影した写真が有効です。外観写真は2枚目以降でも問題ありません。ユーザーは室内の雰囲気を最初に確認したいためです
生活イメージが湧く:家具が置かれていない空室写真は、広さが伝わりにくくなります。後述するバーチャルステージングを活用すると、空室状態でも生活感のある写真を1枚目に使うことができます
競合物件との差は、1枚目の写真を変えるだけで生じることがあります。同じ条件・同じ家賃帯の物件が並ぶ検索結果で「この物件の雰囲気がいい」と感じさせることが、クリック率改善の第一歩です。

空室写真の課題とバーチャルステージングの活用
空室状態の写真には固有の弱点があります。何もない部屋は広さが直感的に伝わらず、生活感がないため「住んでいる自分」をイメージしにくいのです。同じ検索条件で、家具が置かれた他の物件や居住中の物件の写真と並んだとき、空室写真は見た目で負けます。
これを解決する手段の一つがバーチャルステージングです。空室の写真に、CGで家具・照明・小物を配置した加工画像を作成し、「CG画像」と明記した上でSUUMOに掲載します。
バーチャルステージングはSUUMO規約の範囲内で認められた方法です。SUUMOのガイドラインでは「CG・加工画像の場合はその旨を明記すること」を求めています。注釈をつければ掲載に問題はありません(詳細は不動産ポータルのCG加工・バーチャルステージング規約完全ガイドを参照)。
費用の目安は1枚あたり数百〜数千円で、物理的に家具を搬入するホームステージング(¥100,000〜)と比較して低コストです。空室のまま数ヶ月放置した場合の家賃損失と比較すれば、写真1枚あたりの改善コストははるかに小さくなります。

物件情報の入力で差をつける方法
「必須項目だけ入れれば掲載される」というアプローチでは採点スコアは上がりません。以下の2点を徹底してください。
基本情報の空欄ゼロ
SUUMOの採点は、入力されている項目の数と正確性に連動しています。以下の項目に空欄や入力ミスがないか確認してください。
項目 | よくある入力ミス・注意点 |
|---|---|
物件名 | 略称・通称は避けて正式名称で入力。「〇〇ハイツ」など通称のみ入力されているケースが多い |
住所 | 番地まで正確に入力。地図上のピン位置がずれていないか別途確認する |
賃料 | 税込月額賃料のみ記載。管理費と合算しない |
管理費 | 0円の場合も「0」と入力する。空欄にすると未入力扱いになる |
敷金・礼金 | 「なし」は0ヶ月で入力。単に空欄にすると掲載上の不明扱いになることがある |
築年月 | 竣工年月で入力。「入居開始年」と混同しやすい |
専有面積 | ㎡単位で小数点以下まで正確に記載 |
所在階・総階数 | 両方の入力が必要。どちらか一方だけ入力されているケースが多い |
設備チェックリストの見落としを防ぐ
設備情報は入力ミスが最も起きやすい箇所の一つです。実際には備わっているのに入力されていない設備があると、ユーザーが条件絞り込みで検索したときに物件がヒットしなくなります。
特に見落としが多い設備として、以下を必ず確認してください。
インターネット(光回線・Wi-Fi)
宅配ボックス
浴室乾燥機
床暖房
ウォシュレット(温水洗浄便座)
追い焚き機能
TVモニター付きインターホン
オートロック
駐車場・駐輪場(台数・料金も入力)
ペット可・楽器可などの条件
物件の設備が変更・追加された際は、入稿情報も同時に更新するフローを社内で決めておくことを推奨します。
コメント欄の正しい書き方
コメント欄はSUUMO採点への影響に加えて、物件ページを見たユーザーが「内見しようかどうか」を判断する重要な場所です。300字以上を目安に、以下の3つの型で記載してください。
型①:周辺環境の具体的補足
地図で確認できない情報、または地図では分かりにくい情報を具体的に補足します。
やってはいけない書き方:「最寄り駅まで徒歩5分。買い物便利。」
効果的な書き方:「○○駅(△△線)徒歩5分。改札を出て右手に24時間営業スーパー△△、左手にコンビニ○○があります。日用品の買い物が非常に便利な立地です。学区は○○小学校(徒歩8分)・○○中学校(徒歩12分)で、お子様のいるご家庭にもお勧めです。」
具体的な店名・営業時間・徒歩分数・学区を入れることで、ユーザーが生活イメージを持ちやすくなります。漠然とした「便利」という言葉より、具体的な事実が信頼感を生みます。
型②:設備メリットの文章化
設備チェック欄で「あり」にするだけでは伝わらないメリットを言語化します。
やってはいけない書き方:「宅配ボックスあり。インターネット完備。」
効果的な書き方:「宅配ボックス完備のため、不在時でも荷物を受け取れます。再配達の手配が不要なため、忙しい方にとって特に便利です。インターネット(光回線)は月額費用込みの物件のため、プロバイダ契約が不要ですぐに利用できます。在宅勤務や動画配信サービスをよく使う方にも快適な通信環境です。」
型③:内見・問い合わせへの誘導
現在の空室状況・入居可能日・内見受付について明記します。曖昧な記載より、具体的な情報が問い合わせを促します。
効果的な書き方:「現在空室のため、申込後最短翌日よりご入居可能です。内見は平日・土日祝ともに受け付けています。オンライン内見にも対応していますので、まずはお気軽にお問い合わせください。担当者が詳細をご案内します。」
コメント欄の合計文字数が300字を下回る場合、採点上の評価が十分に得られません。3つの型を組み合わせれば自然に300〜500字に達します。
SUUMO採点と優良物件マーク(黄色枠)の取得方法
SUUMOには物件掲載情報の充実度を評価する独自の採点システムがあります。このスコアが高い物件に「優良物件マーク(黄色枠)」が付与され、同じ検索条件内での表示順位が上がります。ユーザーは黄色枠の物件を優先的にクリックする傾向があるため、黄色枠の有無は問い合わせ数に直結します。
採点に影響する要素と改善の優先順位
採点要素 | 改善のポイント | インパクト |
|---|---|---|
写真の登録状況 | 枚数(10枚以上)・カテゴリの網羅性 | 大 |
基本情報の充実度 | 空欄ゼロ・入力精度 | 大 |
設備情報の入力数 | 実際に備わっている設備をすべて登録 | 中 |
コメント欄の記載量 | 300字以上の具体的記載 | 中 |
情報の更新頻度 | 月1回以上の更新(空室期間中は特に重要) | 中 |

黄色枠取得のための実践チェック
以下の項目をすべて満たしていれば、黄色枠取得の可能性が高まります。新規掲載後に黄色枠が表示されない場合は、下記を改善してから数日〜1週間程度で変化することがあります。
□ 写真が15枚以上登録されている
□ 写真が外観・居室・設備・周辺の全カテゴリを網羅している
□ 基本情報に空欄がゼロ
□ 設備チェックがすべて正確に入力されている
□ コメント欄が300字以上で具体的に記載されている
□ 直近1ヶ月以内に情報が更新されている
最寄駅・アクセス情報の最適化
SUUMOでは複数の最寄駅・路線を登録できます。この機能を活用することで、より多くの検索条件にヒットしやすくなります。徒歩15分以内に複数の駅がある場合は、すべて登録してください。
登録の際の注意点:
徒歩分数の正確さ:80m÷1分の計算式が一般的基準です。Googleマップの実際のルートで確認した数字を入力してください。過少申告は内見後のトラブルや信頼損失につながります
複数路線の登録:たとえばA線B駅から徒歩5分、C線D駅から徒歩10分の場合、両方登録することで異なる路線ユーザーにも表示されます
バス・自転車の補足:最寄りバス路線がある場合はコメント欄に補記します。自転車通勤を想定するエリアなら「○○駅まで自転車5分・駐輪場付き」という記載も有効です
掲載後の改善PDCA
掲載して終わりではありません。SUUMO管理画面では物件ごとのアクセス数・問い合わせ数を確認できます。このデータを使って、継続的に改善してください。

確認する指標 | 確認頻度 | 改善アクション |
|---|---|---|
物件ページのアクセス数 | 週1回 | アクセス数が少ない → 1枚目の写真・タイトルを変える。採点スコアを確認する |
問い合わせ数 | 週1回 | アクセスはあるが問い合わせゼロ → コメント欄・写真の充実度を見直す。賃料水準を競合比較する |
採点スコア | 月1回 | スコアが低い項目を特定して具体的に改善する |
黄色枠の有無 | 月1回 | 黄色枠が消えた → 更新頻度・写真枚数を確認する |
「アクセスはあるのに問い合わせがない」という状況は写真・コメント欄の改善で解決することが多いです。「アクセス自体が少ない」場合は採点スコアと競合物件の掲載内容を確認してください。入稿改善以外の空室対策(賃料見直し・設備投資・リノベーションとの費用対効果比較)は賃貸の空室対策10種の費用比較で整理しています。
問い合わせへの返信速度も成約率に直結します。問い合わせから24時間以内に返信できる体制を社内で作ってください。返信が遅れると、その間に競合物件に問い合わせが流れます。SUUMO管理画面のメール通知設定を必ず有効にしておくことをお勧めします。
入稿最適化チェックリスト(全30項目)
以下のチェックリストで、自社の掲載物件の現状を確認してください。チェックが入っていない箇所が、反響改善の余地です。
基本情報(8項目)
□ 物件名が正式名称で入力されている
□ 住所が番地まで正確に入力されている
□ 地図上のピン位置が正しい
□ 賃料が税込月額で正確に入力されている
□ 管理費が正確に入力されている(0円の場合も「0」と明記)
□ 敷金・礼金が正確に入力されている(なしは0ヶ月で入力)
□ 築年月が正確に入力されている
□ 専有面積・所在階・総階数が入力されている
写真(8項目)
□ 写真が10枚以上登録されている
□ 外観・共用部・居室・設備・周辺の全カテゴリを網羅している
□ 1枚目の写真は明るく広角なLDKまたは居室の写真になっている
□ 縦向き写真が混在していない(横向きで統一)
□ 暗い・ピンボケの写真が含まれていない
□ クローゼット・収納の内部が撮影されている
□ 宅配ボックス・バルコニーなど特徴的な設備の写真がある
□ 空室物件の場合、生活イメージが伝わる写真を検討・実施している
設備・コメント(7項目)
□ 設備チェックに漏れがない(インターネット・宅配ボックス・浴室乾燥機など)
□ コメント欄に周辺環境が具体的に記載されている(店名・徒歩分数)
□ コメント欄に設備のメリットが文章で書かれている
□ コメント欄に内見・問い合わせへの誘導フレーズが含まれている
□ コメント欄の合計文字数が300字以上
□ 誇大表現・根拠のない表現を使っていない
□ バーチャルステージング使用の場合「CG画像」注記を付けている
アクセス・採点・対応(7項目)
□ 徒歩15分以内の最寄駅をすべて登録している
□ 徒歩分数が実際のルートに基づいた正確な数値になっている
□ SUUMO採点を確認し、低スコア項目を把握している
□ 黄色枠(優良物件マーク)の有無を確認している
□ 直近1ヶ月以内に情報を更新している
□ 問い合わせ受信のメール通知が有効になっている
□ 24時間以内返信のルールが社内で決まっている
30項目中にチェックが入っていない箇所があれば、そこが反響改善の余地です。特に写真の8項目は、改善のインパクトが最も大きい箇所です。
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よくある質問
SUUMO採点とは何ですか?
SUUMO採点は、SUUMO上での物件情報の入力品質を点数化する仕組みです。ECHOESの説明では、写真やコメントなどの登録内容によって点数が加算され、検索結果での表示されやすさにも関わるとされています。
SUUMO採点で写真はどれくらい重要ですか?
ECHOESの公開情報では、画像登録が最大34点/36点と説明されています。間取り、外観、リビング、キッチン、浴室などの主要写真を揃えることが、掲載品質を高めるうえで非常に重要です。
賃貸募集では何枚くらい写真を載せるべきですか?
最低限、間取り、外観、主な居室、キッチン、浴室は揃えたいところです。さらに、トイレ、洗面、収納、玄関、バルコニー、設備、共用部など、入居希望者が判断に使う場所を追加すると、詳細ページでの納得感が高まります。
居住中の写真でも募集に使えますか?
使える場合はありますが、生活感や私物が強いと部屋の魅力が伝わりにくくなります。可動家具や私物をAIで整理し、必要に応じてバーチャルステージングすることで、次の入居者向けの写真に整えやすくなります。
バーチャルステージングした写真はSUUMOに掲載できますか?
掲載可否や表示方法は、ポータルサイト、管理会社、広告規定によって異なります。固定設備や部屋の構造を変えず、必要に応じてAI利用やバーチャルステージングであることを表示するなど、各媒体のルールに沿って運用してください。
AIで写真を明るくしたり家具を消したりしても大丈夫ですか?
写真の印象を整えることは有効ですが、物件の状態を誤認させる編集は避けるべきです。壁、床、窓、設備、収納、傷や劣化など、契約判断に関わる情報は正確に残してください。
