不動産ポータルのCG加工・バーチャルステージング掲載規約完全ガイド【SUUMO・HOME'S・at home 2026年版】

不動産ポータルのCG加工・バーチャルステージング掲載規約完全ガイド【SUUMO・HOME'S・at home 2026年版】

編集部注:本記事は、公開情報および不動産広告の一般的な表示ルールをもとに、バーチャルステージング画像を不動産ポータルで運用する際の実務上の注意点をまとめたものです。各ポータルの管理画面・掲載基準・審査運用は変更される場合があるため、実際の掲載前には最新の媒体資料や管理画面の案内、担当窓口の指示をご確認ください。

不動産ポータルへのバーチャルステージング画像の掲載を検討している不動産会社・管理会社から、最も多く寄せられる質問がこれです。「規約に違反しないか」「審査に落とされないか」「社内稟議で承認されるか」。

結論を先に言います。バーチャルステージング画像は、適切な注記をつければSUUMO・HOME'S・at homeいずれにも掲載できます。ただし、「適切な注記」の定義と、やってはいけない加工の範囲は正確に理解しておく必要があります。

この記事では、SUUMO・HOME'S・at homeの各ポータルの規約を比較し、CG加工・バーチャルステージングのOK・NGの境界線、違反した場合のペナルティ、掲載手順と注記テンプレート、内見トラブルを防ぐ対策まで体系的に解説します。

不動産広告写真に関するルールの概要

不動産広告における写真のルールは、大きく2つの法律・ガイドラインから構成されています。

宅地建物取引業法(宅建業法)の規制

宅建業法は、不動産広告に関して「誇大広告の禁止」を定めています。実際の物件の状態と著しく異なる内容を広告に載せること、または実際には存在しない設備・条件を記載することが禁止されています。

CG加工・バーチャルステージングが問題になるのは、この「誇大広告」の観点からです。加工によって物件の実態と大きく異なる印象を与えた場合、宅建業法違反となる可能性があります。違反した場合のペナルティは後述しますが、業務停止処分・免許取消・罰金(最大500万円)などが定められています。

不動産ポータル各社の掲載ガイドライン

SUUMO・HOME'S・at homeはそれぞれ独自の掲載ガイドラインを設けており、写真に関するルールを定めています。宅建業法の範囲内であっても、各社のガイドラインが別途制限を設けている場合があります。

共通しているのは「CG・加工画像の場合はその旨を明記すること」という要件です。これを満たすことが、バーチャルステージング画像を合法的に掲載するための基本条件になります。

バーチャルステージング・CG加工の基本ルール

「CG加工」に該当する処理の範囲

どの程度の加工が「CG加工」として注記が必要になるかは、各ポータルのガイドラインで定義されています。共通して「CG加工」に該当するとされる処理には以下があります。

  • 家具・インテリアの追加(バーチャルステージング):空室の写真にCGで家具・照明・カーテン・小物類を配置する処理。バーチャルステージングはこれに該当します
  • 不要物の除去:実際には存在する物(荷物・汚れ・劣化箇所)を消去する処理。「デジタルスタイリング」「写真修正」と呼ばれることもあります
  • 内装・壁紙・床材の変更:実際の内装と異なる壁紙や床材を合成する処理
  • リフォーム完成イメージ画像:未施工の状態でリフォーム後のイメージをCGで作成する処理
  • 家具配置シミュレーション:実際に存在しない家具をCGで配置した間取り図系の画像

OK・NGの境界線:何をやってはいけないか

CG加工に注記をつければすべてOKというわけではありません。加工の内容によっては、注記があっても掲載が認められない場合があります。

NG:物件の実態を変える加工

  • 間取りの変更(壁の位置・窓の位置を動かすなど)
  • 部屋の広さを実際より大きく見せる加工(魚眼レンズ的な極端な広角合成)
  • 存在しない設備の合成(食洗機・床暖房パネルなど)
  • 実際には存在しない眺望の合成(窓の外の景色を差し替えるなど)
  • 建物のグレードを誇張する外観写真の加工(外壁の汚れを消す程度は許容範囲内の場合あり)

OK:注記があれば掲載可能な加工

  • 空室への家具・インテリアの追加(バーチャルステージング)
  • 生活感のある小物・植物の追加
  • カーテン・ブラインドの追加
  • 明るさ・コントラスト・色調の自然な補正
  • リフォーム前後の比較イメージ(「施工イメージ」として明記する場合)

判断に迷う場合の原則は「実際に内見した際に、写真と現実が大きく異なると感じさせないか」です。内見者が「写真と全然違う」と感じるレベルの加工はNGと考えてください。

ポータル別規約の比較

SUUMO(リクルート)の規約

SUUMOの掲載ガイドラインは「実際の物件・設備を正確に表すこと」を基本原則としています。CG・加工画像については、「その旨を明示すること」が必須要件です。

注記の表示方法:写真のキャプション欄または写真の説明欄に「CG画像」「バーチャルステージング画像」「イメージ画像」などの表記を付与します。物件の「その他コメント」欄に「掲載写真の一部はバーチャルステージング(CG加工)を使用しています」と補記しておくことも推奨されます。

事前申請:バーチャルステージングを使用することについて、一般的に事前申請は不要とされています。ただし「実態を大きく変える加工」は審査段階で否認される場合があります。

掲載の可否:適切な注記があれば掲載可能。注記なしのCG加工画像は掲載不可。

HOME'S(LIFULLホームズ)の規約

HOME'Sのガイドラインも基本的にSUUMOと同様の考え方を採用しています。「事実に反する内容の掲載禁止」「CG・加工画像への明示義務」が主なルールです。

注記の表示方法:写真のコメント欄に「※CG合成イメージ」「※バーチャルステージングによる参考画像」などの表記を付与します。HOME'Sでは写真アップロード時に「種別」を選択する項目があり、CG画像は適切な種別で登録します。

HOME'S独自の注意点:HOME'Sでは、写真の種別設定が詳細に分かれています。「外観」「室内」「設備」などの正確な種別選択が採点・検索精度に影響するため、CG加工画像の種別も正確に設定してください。

掲載の可否:適切な注記・種別設定があれば掲載可能。

at home(アットホーム)の規約

at homeはCG加工画像に関して最も明示的なルール設定をしているポータルの一つです。「物件の内覧前に確認できる正確な情報の提供」を強調しており、加工画像への注記義務が厳格に定められています。

注記の表示方法:at homeでは写真説明文に「CG加工」「バーチャルステージング」の表記が必須です。さらに、実際の空室写真も同時に掲載することを推奨しています。

at home独自の注意点:at homeでは「掲載写真は原則として現在の物件状況を示すものであること」を求めています。CG加工画像のみでの掲載よりも、空室写真と組み合わせた掲載(例:1枚目にバーチャルステージング画像、2枚目以降に空室写真)が推奨されます。

掲載の可否:注記あり・空室写真との組み合わせが推奨。加工のみの掲載は審査で指摘される場合あり。

3ポータルの規約比較表

規約項目

SUUMO

HOME'S

at home

バーチャルステージング掲載可否

可(注記必須)

可(注記必須)

可(注記必須)

注記の表示場所

写真キャプション欄・コメント欄

写真コメント欄・種別設定

写真説明文(必須)

事前申請

原則不要

原則不要

原則不要

空室写真との併用

推奨

推奨

強く推奨

実態を変える加工

NG

NG

NG

違反した場合のペナルティ

CG加工に関するルール違反は、各ポータルによるペナルティと法的ペナルティの2段階があります。

各ポータルによる対応

  • 掲載停止・修正指示:注記なしのCG画像が発覚した場合、ポータル運営会社から掲載停止または修正指示が届きます。対応しない場合、物件全体の掲載停止になるケースもあります
  • アカウント停止:繰り返し違反が確認された場合や、悪質な誇大加工が認められた場合、不動産会社のアカウント自体が停止されることがあります。一度停止されると再開手続きに時間がかかります
  • 信用スコアへの影響:ポータルによっては、違反履歴が内部の信用スコアに影響し、今後の広告出稿に支障が出る場合があります

宅建業法によるペナルティ

実態と大きく異なるCG加工が「誇大広告」と認定された場合、宅建業法第32条違反として行政処分・刑事処分の対象になります。

  • 業務停止処分:都道府県知事または国土交通大臣による業務の一部または全部の停止。処分期間は違反の内容によって異なります
  • 免許取消処分:重大な違反や繰り返し違反の場合、宅建業の免許が取り消されます
  • 罰金:100万円以下(個人)または500万円以下(法人)の罰金が科される場合があります
  • 消費者への損害賠償責任:誤った情報をもとに契約した消費者から損害賠償を請求される民事リスクもあります

「注記さえ付ければ何でもOK」ではありません。注記があっても、加工の内容が実態と著しく異なる場合は違反となります。CG加工の範囲は「家具を追加する」「雰囲気を演出する」にとどめ、間取り・広さ・設備の実態を変える加工は行わないでください。

注記テンプレートと掲載手順

SUUMOへの掲載手順

Step 1:空室写真の撮影

通常の物件撮影と同様に空室状態の写真を撮影します。明るさと構図が仕上がりに影響するため、窓からの自然光を活用し、なるべく広角に撮影することを推奨します。

Step 2:バーチャルステージング画像の作成

バーチャルステージングサービスに写真をアップロードし、スタイルと家具配置を選択します。SUMAAI株式会社のVirtual Staging Artでは、写真1枚あたり最短当日〜翌日で完成画像が納品されます。

Step 3:SUUMO管理画面で写真をアップロード

管理画面の写真アップロード画面で、バーチャルステージング画像をアップロードします。写真の枚数・カテゴリ・1枚目の選び方など入稿全般の最適化についてはSUUMO入稿完全ガイド(写真・コメント・採点対策)で詳しく解説しています。

Step 4:注記を設定する

写真のキャプション欄または説明欄に、以下のいずれかの表記を入力します。

「CG画像(バーチャルステージング)」

「バーチャルステージング画像 ※実際の室内とは異なります」

「イメージ画像(CG加工)」

さらに、物件のコメント欄(その他コメント欄)に以下の文言を追加しておくと、内見時のトラブル防止になります。

【コメント欄記載テンプレート】

「掲載写真の一部にはバーチャルステージング(CG加工による家具配置のイメージ画像)を使用しています。実際の室内は空室状態です。内見でご確認いただけます。」

HOME'S・at homeへの掲載手順

基本的な手順はSUUMOと同様ですが、各ポータルの管理画面での注記設定方法が異なります。

HOME'Sでは写真アップロード時の「種別」設定と「コメント」欄の両方に注記を入れてください。at homeでは写真説明文が必須フィールドのため、必ず入力してください。

3ポータル同時に掲載している場合、すべてのポータルで同じ注記を設定することを確認してください。一部のポータルで注記を忘れるケースが散見されます。

内見前後のトラブルを防ぐ対策

バーチャルステージングを使った場合に最も多いトラブルが「内見時の印象と写真が違う」という来訪者からの申し出です。これは規約違反ではありませんが、信頼損失と機会損失につながります。

空室写真と組み合わせて掲載する

バーチャルステージング画像を1枚目に掲載し、2枚目以降に空室状態の実際の写真を掲載します。ユーザーが物件ページを開いた際に、バーチャルステージング画像で雰囲気を確認し、空室写真で実態も確認できる構成です。

これにより「写真はきれいだったのに実際は違った」という印象の落差を事前に解消できます。

内見案内時に事前説明する

問い合わせへの返答や内見案内の連絡の際、「写真の一部はバーチャルステージング(CG加工)を使用しています。実際は空室状態ですが、内見でご確認いただけます」と一言伝えると、内見来訪者の期待値を適切に調整できます。

内見時に活用できる物件資料を用意する

間取り図と実測面積・各部屋の採寸データを記載した物件資料を用意しておくと、内見者が空室の状態でも「ここにこの家具が入る」という具体的なイメージを持ちやすくなります。バーチャルステージング画像で使用した家具の配置案を印刷した資料も、参考として提供できます。

コンプライアンスチェックリスト

バーチャルステージング・CG加工画像を掲載する前に、以下の全項目を確認してください。

加工内容の確認(5項目)

  • □ 加工は家具・インテリアの追加にとどまっており、間取りや広さを変えていない
  • □ 実際には存在しない設備(食洗機・床暖房など)を合成していない
  • □ 窓の外の景色(眺望)を実際と異なるものに差し替えていない
  • □ 内見時に「写真と現実が大きく違う」と感じさせるレベルの加工を行っていない
  • □ 建物の外観・構造に関する誇大な加工を行っていない

注記の設定(4項目)

  • □ SUUMO:写真キャプション欄またはコメント欄に「CG画像」表記を設定している
  • □ HOME'S:写真コメント欄に「CG加工」表記を設定している
  • □ at home:写真説明文に「バーチャルステージング」表記を設定している
  • □ 複数ポータルに掲載している場合、すべてのポータルで注記を設定している

掲載構成の確認(3項目)

  • □ 空室の実際の写真も同時に掲載している(またはその計画がある)
  • □ 物件コメント欄にバーチャルステージング使用の旨を記載している
  • □ 内見案内時に事前説明を行う手順が社内で決まっている

上記の12項目がすべてチェックできれば、規約・法律の観点からも安全にバーチャルステージング画像を運用できます。

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